三原山山頂展望台から山頂遊歩道を散策して伊豆大島三原山の火山噴火と自然の様子を楽しむことにします。
三原山は、伊豆大島にそびえる火山で、その中央部に位置しています。この山はカルデラ内に形成された小規模な火山であり、中央火口丘と呼ばれています。西側は「表砂漠」、東側は「裏砂漠」と呼ばれており、裏砂漠はスコリアと呼ばれる黒い火山石で覆われています。この異世界のような風景は、まるでSF映画に出てくるようです。
三原山は活火山であり、島民からは「御神火様」として敬われてきました。1986年には大規模な噴火が発生し、全島民に島外避難命令が出されたこともあります。そのため、訪れる前に活動状況を確認することが重要です。
初心者向けのトレッキングコースもあります。特におすすめなのは、「山頂遊歩道」からの上り火口を一周して、再び「山頂遊歩道」で麓まで下りるコースです。舗装された遊歩道を歩くため、登山装備がなくても歩きやすいですが、日陰がないため熱中症対策を忘れずに、また、裏砂漠や三原神社なども訪れることができます。三原山の火口は直径約300m、深さ約200mで、地表から湯気が上がっている迫力ある景色を楽しめます。
他にも中級者向けや上級者向けのトレッキングコースもありますので、訪れる際には事前に下調べをして楽しい山歩きを満喫してください!
三原山は、伊豆大島(東京都大島町)にある活火山で、その山頂部は剣ヶ峰(749m)と三原新山(758m)からなる内輪山、外輪山、そして広大な火口原から成り立っています。
山頂口展望台は、内輪山を取り囲む直径3~4kmの外輪山の元町側の頂にあります。ここからは、外輪山の山頂から三原山(内輪山)を眺望できます。山頂口展望台は、伊豆大島ジオパークのジオサイトにもなっており、カルデラ地形とそこに広がる新旧溶岩流などの全体像を観察することができます。
山頂遊歩道(舗装道/2.2km)を使えば、内輪山火口壁まで歩かずして内輪山の勇姿を眼前にできます。また、山頂遊歩道を使えば1986年溶岩流先端部、三原神社、ゴジラ岩などを見学し、直径300m~350m、深さ200mという巨大な火口を間近にすることができます。
三原山は、その美しい景観と歴史的な背景から、多くのトレッキング愛好家や観光客に愛されています。
三原山の噴火歴について。
1950-51年の噴火、この噴火は、玄武岩質のマグマを連続的に噴き上げる溶岩噴泉の活動に始まり、山頂火口を満たした後、溶岩流がカルデラ床への流下しました。そして、割れ目噴火により外輪山にも11個の火口ができ、この日全島民1万人が島外へ脱出しました。
1986年の噴火、この噴火は、山頂の竪坑状火孔で始まり、カルデラ床への溶岩流が発生しました。さらに、割れ目噴火により外輪山にも火口ができました。この噴火は一連の噴火で最大級のもので、噴煙は高度8,000mに達しました。
内輪山と外輪山は、火山の地形に関連する用語です。
1. 内輪山(Inner Cone)
内輪山は、火山の中央部に形成される小さな山または丘です。これは、火山の噴火活動によって形成される新しい火山錐です。内輪山は、火口の中央に位置し、溶岩や火山灰が噴出されて形成されます。三原山の場合、剣ヶ峰(749m)と三原新山(758m)が内輪山を構成しています。
2. 外輪山(Outer Rim)
外輪山は、火山の中央部の周りに広がる大きな山または山脈です。これは、火山のカルデラ(噴火後に形成される大きなくぼみ)の外側に形成されます。外輪山は、古い火山の噴火によって形成され、しばしば火口の壁として機能します。三原山の外輪山は、直径3~4kmにわたり、山頂口展望台から見ることができます.
現地にある「富士箱根伊豆国立公園・三原山内遊歩道」の案内看板です。時間は9時28分です。
富士箱根伊豆国立公園は、神奈川県、静岡県、東京都、山梨県にまたがる国立公園です。この公園は、成層火山、カルデラ、火山島などによって形造られる各種火山地形や温泉、変化に富む海岸線や島嶼からなる火山国日本を代表するものです。
公園内には以下のような美しい自然景観や観光スポットがあります。
1. 富士山地域、富士山とその火山活動による地形が広がり
ます。富士五湖や白糸ノ滝などがあります。
2. 箱根地域、箱根山とその火山活動による地形が特徴で
す。箱根温泉や箱根山のカルデラもあります。
3. 伊豆半島地域、切り立った海岸線や伊豆東部の山稜が美
しいです。天城山や大室山も含まれます。
4. 豆諸島地域**: 八丈島以北の島々の海岸線や火山地形が指定されています。
この国立公園は、年間1億人以上の人々に利用されており、箱根ビジターセンターや田貫湖ふれあい自然塾などの施設もあります。
三原山山頂展望台から少し急な下り坂を降りると「表砂漠コース」への分岐の案内看板がありました。右写真の案内看板によると、こちらのコースからでも三原山火口へ行けるようです。左の写真の奥に進むようです。
今回は「表砂漠コース」はやめておくことにしました。しかし、少し興味があるので、どのような道を進むのか写真に収めておくことにしました。左上の写真は先ほどの案内看板横の道を入ったところを写したものです。うーん道はあるようですが、草が生い茂っていて、伊豆大島初心者には迷いそうで怖いです。右上の写真は少し山頂展望台への道を途中まで戻り、登った上からの写真です。道はある程度整備されているようです。左の写真はその先のものです。ここまで写真で写していて、やっぱりこの道を進むのはやめてよかったと思いました。次に伊豆大島に来た時には冒険しようと思います。
さあ、三原山頂遊歩道の散策をします。左の写真のようにここから三原山火口への道がず~と続いているのが見えます。道は舗装されていて道に迷うこともないようです。この場所でも、右の写真のように砂漠化されている自然を少し味わうこともできます。
三原山頂遊歩道を少し進みました。左の写真のように前に二人の観光客の方々がいました。このあたりの自然は火山噴火の影響でしょうか低木が多いようです。
右の写真のように「富士箱根伊豆国立公園・特別保護地区」の案内看板がありました。案内看板によると、ここでは車両進入禁止でかつ岩石や動植物の採取禁止のようです。道はここまでは少し急な下りでしたが、ここからは平たんな舗装された道が続くようです。この場所には左の写真のように何かあったようですが、よくわかりません。
三原山頂遊歩道散策が出会った自然の様子です。火山噴火という厳しい自然の試練の中でも、負けずに生きている様子には、見ているこちらも元気をいただけました。左上の写真の様にこの三原山頂遊歩道の周囲は低木が続いています。また、遊歩道と低木の林の間に溶岩の固まった岩石がごつごつしている様子が見えます。遊歩道のわきには右の写真のように苔が生えていました。また左の写真には小さく黄色の花が美しく咲いていました。
伊豆大島の三原山は、火山活動によって形成された成層火山で、島の中央にあるカルデラ内に位置しています。以下は三原山の地質についての詳細です。
構造
- 伊豆大島は玄武岩質マグマの噴出によってできた成層火山です。
- 島の中央にはカルデラがあり、そのカルデラは幅2500m、長さ3200mのまゆ型で複数のカルデラ地形が複合していると考
えられています。
- 三原山は、カルデラ内の南西部に位置する中央火口丘(内輪山)で、主に玄武岩質マグマスパター、スコリア、火山弾、
火山灰の累積から形成されています。
- 火口内は1986年の噴火時に溶岩で埋められており、ほぼ平坦ですが、やや南部寄りに径約300m、深さ約200mの竪坑状火
孔があります。
観光地
- 三原山は観光地として整備されており、火口を周遊する遊歩道などがあります。
- 火山性ガスの影響により、カルデラ床にはほとんど植生のない黒いスコリアに覆われた荒涼とした風景が広がっていま
す。
遊歩道わきに咲いている草花です。きれいです♪
遊歩道わきにところどころ咲いている草花をめでながら散策していると、左の写真のように少し開けたところに出ました。左の写真の中央奥にはコンクリート造りの避難シェルターがありました。近づいてみたのが右の写真です。コンクリート造りの避難シェルターの上には小さい岩石が載せられていて補強なのでしょうか。もしもの時には安心ですね。
左の写真のように、まだまだ続く、三原山頂遊歩道です。舗装された道が三原山火口にまっすぐに続いています。このあたりにも、左の写真のように道のわきに草花が生えています。右の写真は近づいてその様子を写したものです。
遊歩道を歩いて行くと、また少し開けたところにでました。そこで道は分岐していて、「パホイホイ溶岩」(1777~78年安永溶岩)との矢印がありました。
三原山(みはらやま)は、伊豆大島にある活火山で、その火山活動によって形成された地形には興味深いものがあります。特に、「パホイホイ」と呼ばれる現象が注目されています。
パホイホイは、1950-51年の噴火時に形成された溶岩の塚です。この溶岩は、火口から三原山斜面まで流れる際に粘性が低く流動的な「パホイホイ溶岩」に富んでいました。西火口縁から斜面にかけて一部「溶岩トンネル」を作って流下し、そのトンネルの天井部分が破れてガスや溶岩が噴き出して、溶岩表面に積み重なって生じた塚が「ホルニト」と呼ばれています。
このホルニトは高さ約2メートルの円錐形をしており、表面には丸みを帯びた水袋状の溶岩(**パホイホイ・トウ**)が積み重なり、流動の跡を示す縄状模様も見られます。2005年にはNPO法人火山洞窟学会がホルニト内部に入り、詳細な調査を行いました。ホルニトの下には幅約10メートル、長さ約15メートル、高さ約6メートルの空洞があり、その奥には長さ10メートル以上のトンネルが続いていました。空洞内では無数のハチジョウイタドリの根が溶岩の隙間を突き抜け、天井から地面まで垂れ下がっている光景が見られました。
「パホイホイ溶岩」を見に行くことにしました。先ほどのところで道を左に行くと左の写真のような情景が広がっていました。低木の林の中央に黒々とした溶岩の大地が広がる広場がありました。
「パホイホイ溶岩」を散策するための矢印が岩につけられてありました。この矢印を辿りながら、溶岩のつくる情景を観察しました。非常に興味深いものがありました。
岩につけられた矢印を辿って「パホイホイ溶岩」散策していくと、行き止まりになっていました。
再び「山頂遊歩道」に戻りました。しばらくの間下り道になっていました。すると少し広場になっている場所がありました。そこにはまた、避難シェルターと1986年の溶岩流先端部の案内プレートがありました。
1986年11月19日、三原山の山頂火口からあふれ出た溶岩は斜面を流れ下り、それまであった遊歩道の上を覆ってここで止まりました。
溶岩流の先端部の厚さは約5メートル。表面はゴツゴツしたたくさんの岩の塊に覆われています。このような溶岩を「アア溶岩」といいます。
アア溶岩(アアようがん、英: *aa lava*)は、玄武岩質溶岩の表面の形態の一種で、鉱滓状溶岩とも呼ばれます¹。この地球科学の専門用語は、ハワイ語に由来しています。
アア溶岩は、粘性の小さい溶岩流が固まる際に表面がスラグ(鉱滓)で覆われたような、ガサガサで刺々しい状態を指します。ハワイのキラウエア火山や日本の三宅島、伊豆大島、三原山などで見ることができます。言葉「アア (aa)」は、表面のトゲトゲした状態を表すハワイ語の「アアー」 (ʻAʻā) に由来しています。現在はハワイ語の話者が少なくなり、地球科学のみで用いられる単語となっています。
アア溶岩は、ごつごつとした表面が特徴であり、その名前はハワイ語の影響を受けています。この独特の溶岩は、火山活動の興味深い側面を示しています。
アア溶岩の主な特徴を示します。
1. ガサガサした表面。アア溶岩は、固まる際に表面がスラグで覆われたようなごつごつとした質感を持っています。この特徴
的な表面は、火山活動の過程で形成されます。
2. 刺々しい外観。アア溶岩の表面は鋭いエッジやトゲトゲがあり、歩く際に注意が必要です。そのため「アア (aa)」というハ
ワイ語の言葉が使われています。
3. ハワイの火山で見られる。アア溶岩は、ハワイのキラウエア火山などでよく見られます。これらの地域では、アア溶岩の流
れや表面を観察することができます。
4. 鉱滓の堆積。アア溶岩は、溶岩流が冷えて固まる際に、鉱滓が表面に堆積してできます。この鉱滓は、火山岩の成分からな
り、ごつごつとした質感をもたらします。
アア溶岩は、地球科学や火山学の興味深い側面を示しており、その独特の外観は観光名所としても人気です。
アア溶岩の特徴的な表面はごつごつとした鉱滓(スラグ)で覆われています。アア溶岩とは、ハワイ語に由来する地球科学の専門用語であり、以下の成分を含んでいます。
- 水と水蒸気 (H2O)。アア溶岩の成分の大部分は水と水蒸気です。
- 二酸化炭素 (CO2)。二酸化炭素も含まれています。
- 硫化水素 (H2S)。一部のアア溶岩には硫化水素も含まれています。
- その他の成分。さらに、二酸化硫黄、塩化水素、フッ素 (F2) などが含まれていることもあります。
アア溶岩の形成過程を説明します。
1. パホイホイ溶岩の形成
- パホイホイ溶岩は、最初に火山から噴出する際に表面が滑らかで比較的平坦です。
- しかし、流れ続けるうちに表面が冷えて固まり始め、半固結した表皮ができます。
- 表面に剪断応力(shear stress)が働いて、ごつごつとした鉱滓(スラグ)が形成されます。この鉱滓は「クリンカー」と
呼ばれます。
- パホイホイ溶岩は、このクリンカーで覆われた表面を持ちます。
2. アア溶岩への変化
- パホイホイ溶岩が長い距離を流れると、温度が下がり、ガスが抜けて流れにくくなります。
- このとき、パホイホイ溶岩はアア溶岩に変わります。
- アア溶岩は、パホイホイ溶岩よりも温度が低く、表面に激しい凹凸(クリンカー)ができます。
3. アア溶岩の特徴
- アア溶岩は、そのごつごつとした表面が特徴であり、ハワイ語の「アア」は滑らかなという意味です。
- アア溶岩は、ハワイのキラウエア火山などで見られ、その独特の外観は観光名所としても人気です。
さらに「山頂遊歩道」散策をします。三原山火口部は雲に覆われています。ここから先は登り道で少し右に道は曲がっています。
昨日の三原山火口のお鉢めぐりで見た避難シェルターまで登るつもりです。ここからは更に坂が急になりました。
昨日見た、避難シェルターまで登りました。ここから道を戻り、三原山頂展望台駐車場に停めてあるレンタカーで次の目的地に向かいます。
「三原山頂遊歩道」を戻ります。下りの坂道なので歩くのは楽でした。
先ほどの避難シェルターと1986年溶岩流先端部案内プレートのある場所まで戻りました。
少し上り坂になっています。
やっと三原山頂展望台にある白い建物が見えるところまで戻ってきました。
三原山頂展望台にだいぶ近づいています。ここからはすごく急な坂道が続きます。
三原山山頂展望の駐車場まで戻り、ここから計画通りレンタカーで御神火温泉に向かうことにしました。